2011年4月25日に「当社および当社子会社に対する訴訟の提起に関するお知らせ」を開示いたしました。その内容について、積極的な情報開示を行うため当社側の経緯を時系列でお知らせします。

●開示資料はここからご覧いただけます。

当社子会社「株式会社はかた匠工芸(当時商号:日本和装ホールセラーズ株式会社)」(以下、当社子会社)は、2009年2月に博多帯の製造販売事業に参入しました。その経緯は次の通りです。

■2009年1月末
当時、加盟店であった「株式会社後藤」(以下「後藤」)が倒産するという情報が入る。「後藤」は、博多織と大島紬の製造と卸売りをする会社であり、博多では老舗として広く知られ、呉服業界でも知名度の高い会社であった。

■2009年2月初め
福岡にある「後藤」本社へ直接事情を聞きに行く。

金融機関からの融資が途絶え、その為、既存事業の継続ができないという事情を聞く。

「後藤」子会社であり、帯の製造を行っている旧「株式会社匠工芸」(以下「匠工芸」)の連鎖倒産も仕方ないという説明を受ける。
※工場が連鎖倒産すると・・・
博多織の生産工場が連鎖倒産してしまうと、工場内で稼動していた織機が債務整理によって処分される可能性がありました。今ではこうした織機を製造できるところはありません。博多織の伝統の技を守っていくためには、織機を残すこと、職人の雇用を守ることが必要でした。

■2009年2月10日
「匠工芸」の運営を当社子会社で引き継ぐことになる。

■2009年2月27日
旧「匠工芸」宛てに「博多織工業組合」の組合員資格喪失の通知が届く。

■2009年2月~3月
「博多織工業組合」を訪問し、同組合への当社子会社の加盟を要請する。加盟については明確な回答がもらえず。寺嶋理事長からは、「考え方が違う」「まずは後藤の整理が済んでから」という回答を受ける。

「匠工芸」の元従業員全員の賛同を得て、新体制での決起大会を行う。(表紙画像参照)

『博多帯』として帯の製造を開始する。

「博多織工業組合」の加盟メーカー数社を訪問し、『博多織』を広めるために協力を要請する。(黒木織物、協和織工場、西村織物、岡野)うち2社が快諾。

「博多織工業組合」から警告文が届く。

「帯」と「織」は、一般的な用語であり、この使用は問題ないという当社の見解をまとめる。

「博多織物協同組合」を結成(代表 酒井茂)

「日本和装ホールディングス」が発行する季刊会報誌『KOSODE』を通じて広報活動を開始。

■2009年9月25日(工場運営を引き継ぎ7カ月が経過)
清算会社「後藤」から「匠工芸」の土地と建物の取得完了。

■2010年5月
当社子会社社長の酒井茂(当時)が「博多織工業組合」を表敬訪問。
再度、組合加盟を申し込む。加盟できない明確な理由は説明されず。

当社子会社は、博多織会館内にある博多織の専門学校「NPO法人博多織デベロップメントカレッジ」を訪問し、同法人を卒業した技術者の就職紹介を依頼するが、「博多織工業組合」の組合員以外には紹介できないと断られる。

■2011年4月11日
訴状送達

■2012年12月10日
原告(博多織工業組合)の請求は、福岡地方裁判所によって棄却されました。

≪第1審 福岡地方裁判所の判断≫
1.商標権の効力について
地域ブランドは地域ブランドに係る商品等を販売する地域事業者全体のための制度であり特定の事業者ための制度ではない。
2.権利濫用について
被告ら(はかた匠工芸、日本和装ホールディングス、博多織物協同組合)は原告(博多織工業組合)から「博多織」の使用を禁止されてやむを得ず「博多帯」を使用するに至ったという経緯に照らすと、原告(博多織工業組合)が被告らによる「博多帯」の使用やその販売仲介等の行為に対して損害賠償等の法的措置を求めることは権利の濫用であるといわざるを得ない。

~その後の動き~

■2012年12月21日

博多織工業組合が福岡高等裁判所に第1審判決を不服として控訴

第1回2013年4月26日 10時~

第2回2013年5月27日 11時~

出席者

控訴人側:岩田弁護士、松尾弁理士
被控訴人側:平尾弁護士
主に商標権の効力について、双方の言い分を裁判所が確認をするが、双方の主張は平行線をたどる。

第3回2013年7月19日 11時~

出席者

控訴人側:寺嶋理事長、岩田弁護士、松尾弁理士、
被控訴人側:日本和装ホールディングス菅野、平尾弁護士
第1回、第2回の会議を経て、裁判所から博多織工業組合に対し、はかた匠工芸を博多織工業組合に加入させ、地域ブランドを共に発展させていってはどうか。と強く和解を求められる。

当社グループ
はかた匠工芸が博多織工業組合に加入する事を当初から希望しており、裁判所からの和解案を受け入れると述べる。

博多織工業組合
寺嶋理事長は強く反対し、はかた匠工芸の加入の前に、商標権の決着をつけることが先決と述べる。
裁判所からの和解案に対して、双方の意見が相違したことから、もう一度それぞれ裁判所からの和解案に対して議論することとし、持ち越しとなる。

第4回2013年9月12日 14時~

出席者

控訴人側:寺嶋理事長、岩田弁護士、松尾弁理士、
被控訴人側:日本和装ホールディングス菅野、平尾弁護士
再度、裁判所からの和解案に対しての双方の意思を確認される。

当社グループ
博多織工業組合に加入して地域ブランドの発展に努めたいと、裁判所からの和解案を受け入れる姿勢を見せる。

博多織工業組合
寺嶋理事長は商標権の決着をつける事が先決と第3回と同じ主張をした。
双方の意見が平行線のままであり、裁判所からの和解案は実現されなかった。
最後に、裁判所から博多織工業組合に対して、第1審判決にある「権利濫用論」に対する博多織工業組合の主張がない事を指摘、控訴人側は次回までに準備書面を提出すると述べ、終了した。

第5回2013年11月8日 14時~

出席者

控訴人側:岩田弁護士、松尾弁理士、
被控訴人側:平尾弁護士
控訴人側が10分ほど遅刻したために遅れて開始、5分で終了。
控訴人側が裁判所に提出した準備書面に対し、当社グループは意見がない事を述べたところ、審理終結した。
裁判官より「弁論を終結します。判決言い渡しは2014年1月29日の13時10分。502号法廷で行います。」と告げられた。

2014年1月29日 13時10分

控訴人「博多織工業組合」の請求は、福岡高等裁判所によって棄却されました。



■素朴な疑問

呉服業界全体で不振が続いています。一度技術が途絶えてしまうと、文化そのものが消え去ってしまう・・・・・・。私たちは、日本各地の特色ある染織技術を守り、きもの文化を守っていきたいのに、どうして同じ業界内で協力し合っていくことができないのでしょうか。
小さいことから積み重ね、前に進もうとしている技術者を、なぜ応援することができないのでしょうか。
皆さまはどう思われますか?